卵子凍結外来:今すぐの妊娠・出産が難しい状況の方のための卵子凍結(社会的適応)
卵子凍結(社会的適応)とは
さまざまな事情で今すぐの妊娠・出産が難しい状況にある方が将来に向けての準備を行うことができるのが卵子の凍結です。一般的に女性の妊娠率は35歳から減少し始め、
流産率は上昇していきます。生殖機能が低下する前に卵子を凍結することで、将来お子さんを得られる可能性を広げることができます。
ただし、卵子凍結は必ず妊娠できるという保証を得られるわけではありません。そのリスクもご承知の上で、あくまでも一つの保険としてご検討ください。
対象者となる方
35歳までの成人女性で
・将来パートナーと出会った時のためにできることはやっておきたい方
・今は仕事を優先、もしくは優先せざるを得ないが将来は子供を産みたい方
・事情があり、今はその余裕がないが妊娠出産に向けて準備をしておきたい方
・将来の出産のために、少しでも若い卵子を残しておきたい方 など
※36歳以上の方(40歳未満まで)でも卵巣機能が良好な方はお受けできる場合があります。
受診の流れ
※受診いただく前に基礎体温表を最低1か月付けていただいてからの受診をお願いします。
完全予約制となっておりますので、まずはお電話にてご連絡ください。
ご予約をお取りする前に、社会的卵子凍結の適応があるかを確認させていただきます。適応外の方はご予約をお取りすることはできませんので、予めご了承ください。
TEL:054-288-2882(音声ガイダンスに従い「1」または「2」にお進みください)
まずは看護師より個別説明をさせていただきます。
治療についてきちんとご理解いただき、ご納得いただいた上で治療を始めるためです。
その後、治療の意思を確認し初診のご予約をお取りします。
※受診までに下記の動画をご視聴ください。
日本産婦人科学会「ノンメディカルな卵子凍結をお考えの方へ」
・受付…2Fインフォメーションカウンターにて保険証と基礎体温表をご提出ください。
・問診…看護師が問診票の内容を確認します。
・診察…医師より検査、治療のご説明をします。説明の後、超音波検査、採血を行います。
採血の結果は後日となります。
・説明…次回受診や治療スケジュールについて説明があります。
・お会計
※混雑状況にもよりますが、受付〜会計まで1〜2時間かかります。お時間に余裕をもってお越しください。
メリットとリスク
メリット
卵子を採取・凍結保存することで、卵子を凍結した年齢の妊娠率と流産率を維持することが期待でき、将来お子さんを得られる可能性があります。
リスク
・卵巣刺激により、卵巣の腫れやお腹や胸に水が溜まる卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を発症する場合があります。
・採卵時は卵巣を針で穿刺するため、出血・感染症が起こる場合があります。
・卵巣を穿刺しても、正常な卵子が取れない場合があります。
・凍結卵子が、融解→体外受精又は顕微受精の過程で死滅・変性をして移植できない場合があります。
・凍結卵子から発育した発育した胚を移植しても、妊娠できない場合があります。
・妊娠合併症の頻度が移植時の年齢が高くなるほど増えます。
(妊娠合併症とは妊娠糖尿病、妊娠中毒症などのこと。早産や前置胎盤・胎盤早期剥離や分娩時の出血・帝王切開率も
年齢は大きく関係しています。)
卵子凍結の流れ
妊娠率を上げるために必要な最初のステップです。ARTの妊娠率を左右する最大の要因は卵子の質と数です。良好な卵子をいくつ採取できるかが妊娠率につながります。より多くの卵子を採取するために、ホルモン剤(内服薬と注射薬)で卵胞の発育、排卵をコントロールしながら、卵胞を発育させます。
採卵とは、膣を消毒した後、超音波画像を確認しながら細い針を膣から卵胞に刺し、卵胞液ごと卵子を吸引する処置です。吸引された卵胞液は直ちに胚培養士(エンブリオロジスト)へ渡され、培養室内の顕微鏡下で卵子を探します。採取された卵子は、インキュベーターと呼ばれる機器の中で培養します。
※採卵時の麻酔についてはこちらをご覧ください。
卵子を専用の凍結液を用いて凍結し、-196℃の液体窒素の中で保管します。
料金
項目 | 金額(10%税込) |
---|---|
初診時費用(初診料、スクリーニング検査) | 36,000円(税込39,600円) |
治療費【オールインクルーシブ】 (排卵誘発開始〜採卵当日までにかかる治療費、検査費、薬剤費全て含みます) | 総額費用 400,000円(税込440,000円) |
2回目以降 治療費 | 300,000円(税込330,000円) |
静脈麻酔※+抗生剤点滴 | 23,000円(税込25,300円) |
卵子凍結※卵子の個数によって変動します。 | 30,000円〜(税込33,000〜) |
※妊娠を希望した際は、移植費用等が別途でかかります。詳しくはスタッフにお問合せください。
※採卵後に行った検査料・薬剤料は別途かかります。
※BMI30以上の方、合併症を招く可能性の高い病歴がある方は麻酔は使用できません。
※採卵後、一度当院で卵子をお預かりした後 Grace Bankに移送します。
※感染症(B型・C型肝炎、梅毒、HIV陽性)をお持ちの方は、Grace Bankでの保管はできないため当院で保管となります。感染症は初診時に採血で調べます。
採卵した卵子は提携サービスのGrace Bankでお預かりします。
Grace Bankは、セミナー・カウンセリングによる情報提供、全国の提携クリニックでの採卵・凍結・大型タンクによる安全な長期保管、将来の利用サポートまで、一貫したプロセスを提供する日本初の体系的卵子保管凍結サービスです。
※Grace Bankへの登録は当院初診後、採卵時期が確定してからになります。