女性外来 診察内容について
女性の生涯にわたる健康を考え、全てのライフステージのかかりつけ婦人科医を目指します。
女性外来では保険診療を主体とした診療をおこなっております。
月経の異常・不正出血
女性の体は約1ヶ月に1回卵巣から卵子を排卵し妊娠に備えます。妊娠しなかった場合は、子宮内膜が出血を伴ってはがれ体外へ排出されます。これが月経です。月経の乱れは子宮や卵巣の病気が疑われることもあるので注意が必要です。つらい生理痛(月経困難症)、生理の出血の期間が長い(過長月経)・短い(過短月経)などの月経に伴う症状が気になる場合も、受診をおすすめします。
ピルの処方
ピルとは、エストロゲンとプロゲステロンの2つの女性ホルモンが配合された経口避妊薬です。排卵を抑え、生理をコントロールできることから月経困難症や子宮内膜症の治療、過多月経の軽減に役立っています。それ以外にもPMS(月経前症候群)の軽減、月経不順の改善、ニキビの改善などにも効果的です。わが国では、避妊目的で使用されるものをOC(Oral Contraceptive)、月経困難症や子宮内膜症の治療に使用されるものをLEP(Low dose estrogen-progestin)と呼んでいますが、どちらも一般的には低用量ピルという名前で知られています。
副作用について、開始してしばらくの間は、不正出血や悪心などの症状がみられることがあります。また、重篤な副作用として血栓症が発症するリスクがあります。このことから服用中は、定期的に受診をする必要があります。当院では、ピルについて分かりやすくご説明し、リスクについてもしっかりお伝えした上で患者さんにあったピルを処方しております。お気軽にご相談ください。
婦人科がん検診
当院では子宮頸がん・子宮体がんの検診を行っております。子宮下部の管状の部分を子宮頸部、子宮上部の袋状の部分を子宮体部と呼び、それぞれの部位に生じるがんを子宮頸がん、子宮体がんといいます。 子宮頸がんは子宮がんのうち約7割程度を占めます。以前は発症のピークが40〜50歳代でしたが、最近は20〜30歳代の若い女性に増えてきており、30歳代後半がピークとなっています。子宮頸がんは長い年月をかけて進行するので、検診で前がん病変や早期(上皮内がん)の段階で見つけることが大切です。
子宮頸がんワクチン
HPVには200種類以上の型があります。その中で子宮頸がんの原因となるのは15種類程度、HPV16/18型が多いです。日本ではHPV16型が40〜50%、18型が20〜30%です*1。このウィルスに対するワクチンを接種することによって、子宮頸がんを予防することができます。当院では2種類のワクチンを接種することができます。ガーダシルはHPV16、18型に加え6、11型も予防できる4価ワクチンです。HPV6,11型は性感染症の一つである尖圭コンジローマの原因ウィルスです。シルガードはさらに5つの子宮頸がんの原因となる型に対する予防もできる9価ワクチンです。(シルガード定期接種は2回になりました。)
*1 子宮頸がん予防についての正しい理解のために.日本産科婦人科学会. 2020.
※静岡市にお住いの20歳以上の方は、偶数年齢になる年に自己負担金1,000円で子宮頸がん検診をお受けいただけます。詳しくは静岡市のHPをご覧ください。
子宮頸がんワクチン更年期障害
日本人の平均閉経年齢は約50歳ですが、個人差が大きく、早い人では40歳台前半、遅い人では50歳台後半に閉経を迎えます。閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間を「更年期」といいます。更年期に現れるさまざまな症状の中で他の病気に伴わないものを「更年期症状」といい、その中でも症状が重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」と言います。漢方療法、ホルモン補充療法など、一人ひとりに合わせて治療方法を選択していきます。つらい症状を我慢せずに、まずはご相談ください。
STI (性感染症)の検査・治療
STI*(性感染症)は性的接触で感染する病気のこと。感染症するとかゆみや痛みのような症状だけではなく、種類によっては不妊の原因となったり、神経や心臓などに深刻な合併症や後遺障害を残したりすることもあります。このため感染してしまった場合はあなたのカラダのためにも、パートナーへの感染を防ぐためにも、恥ずかしがらずに早めの検査・治療を徹底しましょう。
*STIは「Sexually(性行為) Transmitted(伝わる) Infection(感染)」の略。
プレコンセプション・ケア
「 プレコンセプションケア」は、若い男女が将来のライフプランを考えて、日々の生活や健康と向き合うこと。
次世代を担う子どもの健康にもつながるとして、近年注目されているヘルスケアです。早い段階から正しい知識を得て健康的な生活を送ることで、将来の健やかな妊娠や出産につながり、未来の子どもの健康の可能性を広げます。