着床前検査(PGT:preimplantation genetic testing)について
着床前遺伝学的検査PGTは受精卵の段階で染色体や遺伝子の検査を行うことです。
着床の不成功や流産の多くは染色体単位での数の過不足、または染色体の部分的な過不足が原因です。
PGT-A を実施することにより、染色体の数の異常をより早い時期、すなわち子宮に移植する前の段階で見つけることで、妊娠率が高く、流産率が低い胚を選択できる可能性があります。
移植を推奨できる胚が得られた場合には、着床率や妊娠継続率、ひいては出産率の向上が期待できます。
2020年1月より2022年8月までの期間、日本産科婦人科学会主導によるPGT-A/SRに関する特別臨床研究が全国の認定された実施施設において行われてきました。当院においてはPGTを受けられた方のうち40人以上の方が妊娠され、すでに20人以上の方から出産のご報告をいただいております。(2022年8月現在)
2022年9月からPGT-A/SRは通常医療として行われます。当院では引き続きお受けいただくことができます。今までの実績・経験をいかした質の高いPGTを提供していきます。
PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)
初期流産の70-80%は受精卵の染色体の異数性が原因であることが分かってきました。PGT-Aにて受精卵の染色体が正常かを検査することで、流産率の低下、出産率の向上などART治療成績の改善が期待されます。
PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)は、体外受精と胚移植を行っても着床しなかったり、流産してしまったりで、赤ちゃんの誕生につながらない状態が 2 回以上続いた不妊症のカップルや、流産の経験が 2 回以上ある不育症のカップルを対象としています。
PGT-SR(着床前胚染色体構造異常検査)
PGT-SRは、染色体の構造異常を調べる検査です。流産率の低下、出産率の向上などART治療成績の改善が期待されます。
PGT-SR(着床前胚染色体構造異常検査)は、男女のどちらかに染色体の構造異常があるとわかっていて、それが不育症の原因となっている、もしくはそれが原因となって今後、流産をしてしまう可能性のあるカップルを対象としています。