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第23回:不妊症の主な治療方法〜顕微授精〜(2013年10月5日放送の内容)

河村由美さん
さて今週は「不妊症の主な治療方法〜顕微授精〜」についてお話を伺っていきたいと思います。

先週は「体外授精」についてお届けしましたが、「顕微授精」とはどのような治療でしょうか?

俵史子院長
身体から取り出した卵子に1個の精子を注入する受精方法です。顕微鏡を見ながら良好な精子を選び、細い管で卵子に中にそっと置いてきます。その後は適正な環境下で培養を行い、翌朝受精の確認をします。その後の治療過程は体外受精と同様となります。

河村由美さん
「顕微授精」は、どのようなカップルに対して適応となるのでしょうか?

俵史子院長
精液検査の結果から、自然妊娠や人工授精での妊娠が難しいと判断されたカップルに対し顕微授精が行われます。例えば精子数が少ない「乏精子症」、運動率の低い「精子無力症」や「無精子症」のうち、手術的に精子を回収できた場合です。そのほか、過去の体外受精で「受精障害」と診断された場合も適応となります。

河村由美さん
俵IVFクリニックでは、実は体外受精の治療の過程で顕微授精を行うこともあると聞いていますが、詳しいことを教えていただけますか?

俵史子院長
当クリニックでは体外受精を行った後、当日のうちに受精予測を行っています。レスキューICSIといいます。通常のレスキューICSIは、採卵翌日に顕微授精を行うため受精率の低さや胚の発育が悪い場合が多いのですが、当日に行うことで通常の体外受精、顕微授精と成績に差はありません。受精障害という原因は、一般検査の段階では判断がつかない場合が多く、体外受精を受けた場合に初めて判明する原因です。受精予測には培養士の経験と適切な判断が要求されますが、この方法を取り入れることで初回体外受精の方でも完全受精障害による治療のキャンセルを防ぎ、受精できない卵子を減らすことができます。また、不必要な顕微授精を回避することも可能です。

河村由美さん
体外受精や顕微授精で妊娠できる確率が高い方とは、どのような方でしょうか?

俵史子院長
不妊原因が、男性では精液所見が不良の場合や受精障害の場合、女性では卵管の異常が原因の場合に、特に体外受精・顕微授精で妊娠できる可能性が高いと考えます。ただし、不妊原因は一つとは限りません。子宮内膜症などの合併症や年齢的な要素が加わると、妊娠率にも大きく影響します。

来週は、「妊娠しやすくするための体質改善」についてお届けしたいと思います。

不妊治療・婦人科 俵IVFクリニック

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