第11回:体質改善のための漢方A(2014年12月12日放送の内容)
◎河村由美さん
さて、今週も「体質改善のための漢方」についてお話を伺っていきたいと思います。今週も先週に引き続き、俵IVFクリニックで漢方外来を担当されている、静岡厚生病院産婦人科、中山毅先生をお迎えし、不妊症に対する漢方治療についてお話いただきます。よろしくお願いします。
◎中山毅先生
よろしくお願いいたします。
◎河村由美さん
早速ですが、漢方治療は具体的にどういったものなのでしょうか?
◎中山毅先生
漢方治療は個々の患者さんの体質や体調、症状などにより選択される処方が変わります。不妊症の治療には代表的な3つの漢方薬が用いられます。当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸です。症状としては、当帰芍薬散は冷え症やむくみが気になる方に、加味逍遥散は、冷え症や便秘に加えて、イライラしたり、うつうつとするなど、心の症状もある方に、適した漢方薬です。また桂枝茯苓丸はホットフラッシュといって、上半身にのぼせがある、生理痛や肩こりなどの症状がある患者さんに選択されます。
◎河村由美さん
先週のお話で、心の不調に効く漢方もあると伺いました。
◎中山毅先生
心の不調には、3つの状態があります。イライラの強い「気逆」の患者さんには、抑肝散が好まれます。この処方は生理前のイライラとか、例えば子どもの夜泣きに対して母と子に同時に内服することで同時に治療することができるという大変ユニークな処方です。また元気でない状態の「気虚」では、特に食後の眠気がある方には補中益気湯、食欲不振がある方は、六君子湯がよく処方されます。心が風邪をひいた状態の「気滞」や「気鬱」に対しては加味逍遥散の他、シソの成分の入った半夏厚朴湯の効果が高いです。
◎河村由美さん
さまざまなお薬が処方されるのですね。
◎中山毅先生
漢方治療は、患者さんの個々の体質や体調に応じた漢方薬を選択することにより、より高い効果が期待できます。自身に合った漢方薬を服用し、それを続けることが大切です。
◎河村由美さん
俵IVFクリニックでの中山先生による漢方外来は、毎週火曜日に開設されています。
詳細は俵IVFクリニックのホームページをご確認ください。