第24回:不妊治療についてA(2015年3月13日放送の内容)
◎河村由美さん
さて、今週はひきつづき「不妊治療」についてお話を伺っていこうと思います。体外受精はどのような治療ですか?
◎俵史子院長
体外受精は、採卵手術により排卵前に体内から取り出した卵子と精子の受精を体外で行う治療です。卵管に障害があるなど、自然妊娠が望めない原因をお持ちの方でも、妊娠・出産の可能性を期待できることになります。体外受精による出生児は全世界で400万人を超えたともいわれています。日本では、毎年3万人以上のお子さんがこれらの治療で出生しています。
◎河村由美さん
受精卵の凍結保存とはどんな治療ですか?
◎俵史子院長
受精卵の凍結保存は、体外受精や顕微授精で受精・発育した受精卵を凍らせて長期間保存しておく方法です。後日、その胚を解かして移植することにより、身体に負担のかかる採卵を避けながら効率的に妊娠の機会を増やすことができます。また、複数良好胚が得られても移植する胚の数を1つにしておけば、多胎妊娠となるリスクを減らすことができます。
◎河村由美さん
生殖補助医療を受けるための施設はどのような種類がありますか?
◎俵史子院長
生殖補助医療が始まった1980年代は、大学病院や、大病院のような施設でしか受けることができませんでした。しかし現在わが国においては、ART専門クリニックでも高いレベルでの不妊治療を受けることができるようになりました。日本産科婦人科学会では、生殖補助医療を行っている施設の一覧を毎年発表しています。また、日本生殖医学会では、生殖医療を専門とした資格を持つ医師(生殖医療専門医)を認定しています。現在、静岡県では9名の医師が認定を受けています。学会ホームページで見ることができます。