甲状腺について
甲状腺とは
甲状腺は甲状腺ホルモンを作り、分泌する臓器です。首の真ん中よりやや下、のどぼとけのすぐ下の所にあり、蝶が羽を広げたような形で気管の前にまたがっています。正常の場合には外からほとんどさわりません。甲状腺ホルモンは細胞を成長させたり、食欲の変化を来したり、脈拍・体温の調整したりとざまざまな作用を持っています。ホルモンの不足や過剰分泌を前段階から管理することが妊娠率の向上や、流産率の低下に繋がるため、当院では初診時より精度の高い検査や内科専門医と連携した治療を行うようにしています。
甲状腺機能の管理
妊娠を希望する方には、甲状腺機能低下症・甲状腺機能亢進症になる前の段階(潜在性機能亢進症・潜在性機能低下症)から管理をすることが、妊娠率の向上や流産率の低下に繋がるため、当院では初診時より精度の高い検査や内科専門医と連携した治療を行うようにしています。
当院で行っている検査
当院では、女性の初診時スクリーニング検査(血液検査)にて甲状腺ホルモンと抗体を調べています。その結果に異常が認められた場合や、甲状腺のあたりに腫れのある方、家族歴のある方を対象に超音波(エコー)検査を行っております。
甲状腺の病気の種類・症状
甲状腺疾患が疑われる症状
甲状腺ホルモンは体のさまざまな部分に影響を持つので、甲状腺に疾患があるとさまざまな症状が現れます。以下のような甲状腺疾患が疑われる症状が持続している場合は、一度検査を受けることをおすすめします。特にご家族に甲状腺の病気の方がいる場合は、甲状腺疾患の頻度は高くなりますので心配のある方は、スタッフにご相談ください。
- 甲状腺腫大
- 動悸、息切れ
- 手の震え、痴呆、筋力低下
- 顔のむくみ
- 肝機能異常、下痢、嘔吐、嘔気、食欲低下
- 倦怠感(疲れ)、体重減少、発汗、高熱、微熱、下痢、便秘
- 睡眠障害、微熱、うつ症状、不安感、集中力の低下
- 月経異常(生理不順)
- 皮膚のかゆみ、毛髪の脱落
- 筋肉痛
- めまい、しゃがれ声
日常生活での注意点
定期的に血液検査と超音波検査をしましょう。
甲状腺機能低下症を初期から自覚することはあまりなく、かなり進行してから発覚することが多いので症状がない時でも血液検査をすることが大切です。また、甲状腺内部に変化を来す場合もあるので1年毎の超音波検査も大変重要です。
毎日のイソジンうがい薬によるうがい、昆布の大量摂取は控えましょう。
ヨードの過剰摂取は甲状腺機能低下につながります。イソジンうがい薬の主な成分はヨードです。また、昆布のヨード含有量も他の海藻類に比べると高くなっているので摂りすぎには注意しましょう。 ※風邪をひいたときの数日間のイソジンの使用や、普通に昆布を摂取することは問題ありません。
妊娠がわかった時も、検査をしましょう。
甲状腺ホルモンは胎児の成長に欠かせません。甲状腺機能が低下したまま妊娠が経過すると胎児機能に問題を来す場合があるといわれています。妊娠したと分かったら、ホルモン異常がないか評価することをおすすめします。