治療を始めるにあたって
診察を受けるタイミング
「どのくらいの期間、妊娠しなかったら不妊症の疑いがあるの?」「どのタイミングで専門の病院に行けばいいの?」と、悩んでいる方も多いのでは? 一般的に「1年間避妊せずに性生活を送った夫婦の8〜9割が妊娠に至る」といわれることから、1年というのが病院を訪れる目安になるのではないかと思います。しかし、これはあくまで目安。
卵巣の機能が落ち始める30代半ばを過ぎている場合は、不妊期間が半年程度でも診察や検査をおすすめします。
2人目のお子さんをお考えの方
2人目不妊の方も原発性不妊と同様に、不妊期間が続くようであれば、年齢や新たな問題の発生など、妊娠を妨げるさまざまな原因があるかもしれないので、やはり同様のタイミングで受診を考えていただきたいと思います。初診を受ける時期ですが、当院の場合は完全予約制なので、スムーズに診察を受けていただくために必ず事前予約をしてください。基本的な検査は、基礎体温の低温期、排卵期、高温期、それぞれの時期に行います。初診の際は、そのタイミングでできる検査から進めていきますので、患者さまご自身が受診のタイミングを考慮する心配はありません。
初診当日について
初診当日は「予診」といって、まず看護師が患者さまと個室でお話をお聞きします。診察や検査に対して不安や疑問などがありましたら、気軽にご相談ください。当院を受診したからといって、すぐに体外受精などの本格的な不妊治療に入るわけではあリません。まずは患者さまの体の状態をきちんと調べ、希望を伺いながら治療を進めていきます。検査のみご希望されることも可能です。
これまで婦人科の病院を受診したことがない場合は、子宮筋腫や子宮内膜症、性感染症、がんなどの病気が隠れていないか、ご自身の体の状態を知リ、日頃の生活習慣を見直す良い機会でもあるので、ぜひ早めの受診をおすすめします。
詳しくは「初診の方へ」ページをご覧ください。
来院前に準備しておくこと
当院では、初診当日にご夫婦双方の保険証と基礎体温表を必ずお持ちいただいています。基礎体温は身体の動きが最も安静な状態の時の体温のこと。朝、目覚めた時にふとんの中で基礎体温計を使って測ります。
基礎体温表は、排卵の状態やホルモンのバランスなどを知るための大切な情報源。毎朝の基礎体温だけでなく、月経周期や月経痛、不正出血、性交、おりものの性状・量、体調などの情報も記入しておくと役立ちます。
記録期間は長ければ長いほど参考になります。平均値を診るために、できれば2カ月以上、少なくとも1カ月分は記入しておいてください。基礎体温をつけるのが初めてで、測定や記入の仕方が分からないという方は、気軽にお問い合わせください。
「基礎体温について」ページもぜひご覧ください。
他にも、初診前に済ませておくこととして予防接種があります。例えば風疹・麻疹(はしか)の予防接種は、接種後に2カ月ほどの避妊期間を設ける必要があり、この期間は不妊治療はできません。これまで風疹にかかったことがない、ワクチンを摂種したことがない方は受診前に済ませておくことをおすすめします。
風疹や麻疹の予防接種は当院でも実施しておりますので、ご希望の方はお問い合わせください。
生活習慣を見直そう
肥満は排卵障害などを引き起こす可能性があり、標準体重より20%体重過多の場合、不妊症のリスクが2倍になるといわれています。
不妊だけでなく、メタボリック症候群や生活習慣病などを引き起こす原因にもなります。反対に、痩せすぎも排卵障害を引き起こすことがあり、妊娠には悪影響です。
現在、ご自身の体重は標準の範囲ですか? 食生活が偏っていたり、運動不足ではありませんか? 妊娠しやすい体をつくるためは、
@適度な運動
Aバランスのとれた食生活
Bストレスを溜めない
余裕の持てる生活の3つがとても大切です。生活習慣を改善することで心身ともに健康になり、特別な治療を受けずに妊娠に至る方もいます。
当院では生活習慣について厳しく指導しており、血圧が高い場合は正常値に戻ってから、喫煙者は禁煙できてからでないと不妊治療を始めません。体重に関しても、きちんと管理・指導しています。
妊娠の基本は、健康であること。患者さまが妊娠しやすい体をつくれるよう、私たちは全力でサポートします。