PGT-Aについて

PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)とは

着床前遺伝学的検査(PGT: preimplantation genetic testing) は受精卵の段階で染色体や遺伝子の検査を行うことです。
PGT-Aでは、染色体の異数性を調べます。
初期流産の70-80%は胚(受精卵)の染色体の異数性が原因であることが分かってきました。正常な胚(受精卵)の場合、両親由来の染色体が1本ずつ受け継がれ2本でセットになっていますが、胚の染色体異数性では、この2本が1本、3本またはそれ以外の本数となります。
PGT-Aを行い、染色体が正常な胚の移植ができれば、流産率の低下、生産率の向上などART治療成績の改善が期待されます。

適応

  1. 反復ART不成功(胚移植で2回以上連続して臨床的妊娠がない方)
  2. 習慣流産(反復流産を含む)(過去に臨床的流産を2回以上反復している方)
  3. 女性が35歳以上(女性が高年齢の不妊症のご夫婦)

ただし、夫婦のいずれかに染色体構造異常(均衡型染色体転座など)が確認されている場合を除きます。その場合はPGT-SR適応となります。

 

検査方法と流れ

体外受精または顕微授精を行い胚盤胞から一部細胞を採取し、全染色体の異常の有無を検査します。この検査では、染色体数の過不足(異数性異常)やご夫婦の染色体構造異常に起因した胚の染色体不均衡型構造異常を検出します。ただし、微細な染色体異常、均衡型構造異常、倍数性異常、遺伝子異常などは検出できません。着床前検査には2~4週間かかるため胚は一旦凍結保存し、医師より検査結果の説明を受けてから次周期以降に融解胚移植を行います。

検査を受けるまでの準備

    1. 直接、もしくはお電話にてお問い合わせください

         簡単な説明と説明書・動画のQRコードのご案内・チェックシート・同意書をお渡しします。
       Tel:054-288-2882(音声ガイダンス1番)スタッフへ「着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)希望」とお伝えください。

    2. 日本産婦人科学会のサイトより、2本の動画をご視聴し、理解度をチェックシートにご記入ください。
      ・動画1「不妊症および不育症を対象とした着床前遺伝学的検査(PGT-A・SR)」について
      ・動画2「PGT-Aの検査対象をなぜ限定しているのか」
  1. 遺伝カウンセリング担当医師よりPGT-Aの説明を受ける(希望の方のみ)
  2. PGT-A同意書、ART同意書、チェックシート提出

その後、体外受精または顕微授精を行い、PGT-A実施となります。検査実施までに、約1~2ヶ月ほどのお時間がかかります。

検査の流れ

検査結果の説明

診断は外部解析検査所に委託し、診断結果は2~4週間で分かります。解析結果について4つのカテゴリー分類を用いて判定を行い、常染色体部分の解析結果と合わせて説明をします。

判定・判定内容

  1. 常染色体が正倍数性である胚
  2. 常染色体の数的あるいは構造的異常を有する細胞と常染色体が正倍数性細胞とのモザイクである胚
  3. 常染色体の異数性もしくは構造異常を有する胚
  4. 解析結果の判定が不能な胚

注意事項

  • 胚の解析結果のカテゴリー区分については、今後学会による新たな推奨が行われた場合にはそれに従うことになっています。
  • 上記のAの判定の胚について、均衡型転座の有無についての情報は開示できません。
  • 性染色体の解析結果は、原則として患者には開示できません。性染色体に何らかの異常を認める場合には、臨床遺伝専門医が必要と判断した場合に限り、性染色体部分の結果も含めて開示することがあります。
  • 移植する胚は、解析結果について遺伝カウンセリングが行われた後の夫婦の自律的な意思に従って決定します。
  • 複数の胚が移植可能と判断された場合は、最も適していると判断した胚を原則として1個のみ子宮に移植します。

遺伝カウンセリング

必要に応じて臨床遺伝専門医または臨床遺伝について専門的な知識を有する医師が、検査の実施前、および検査結果が判明し胚移植を行う前の時点で遺伝カウンセリングを行い、本法を希望する夫婦の意思決定を支援いたします。

費用

着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)は保険診療として認められていないため、自費診療となります。2025年8月1日より以下の料金に変更となります。

遺伝カウンセリング ・検査の説明(希望の方のみ)3,000円(税込3,300円)
・結果の説明(必要時のみ) 3,000円(税込3,300円)
PGT-Aにかかる費用
通常の体外受精または顕微授精の費用に加えて
・PGT解析維持費(採卵1周期あたり)20,000円(税込22,000円)
・生検代+解析代(胚盤胞1個あたり) 60,000円(税込66,000円)

お申し込み後にキャンセルを希望された場合や、治療の中断、移植可能な胚が得られなかった場合などには、それまでにかかった費用をご負担いただきます。

凍結保存管理料について

PGT-A検査の結果確認後、保管継続する胚のみ凍結保存管理料が発生します。

例:胚盤胞が7個でき、そのうちの5個PGT-A検査をする場合

  • PGT-A検査をしない胚2個の凍結保存管理料(2-5個) 税込77,000円 


【PGT-A検査結果後】

  • 移植可能胚3個なら 追加料金なし(凍結胚の合計が5個のため)
  • 移植可能胚4個なら 追加料金 税込35,200円(凍結胚の合計が6個で、凍結保存管理料(6個以上)税込112,200円となるため、その差額分が追加)

検査の注意事項

  • 本診断は胚の時点での異常を検査するもので、出生児に全く障害がないことを保証するものではありません。
  • 現時点では、多くの報告においてPGT-A胚妊娠における出生児の先天異常は増加しないとされています。児の長期予後に ついてはまだ明確ではなく、今後慎重にフォローしていく必要があると考えられています。
  • さらに正確な染色体検査を希望する場合は、羊水検査などの出生前診断が考慮されます。
  • 本診断を受けても、染色体異常以外の原因による着床不全や流産を完全に防ぐことはできません。
  • 出生児の性別を選ぶことはできません。
  • 基本的には正常受精した全ての胚を胚盤胞まで培養します。
  • 日本産科婦人科学会への報告義務があります。
  • 検査会社より依頼があった場合、夫婦染色体異常有無の詳細について提示する可能性があります。
  • 現時点では保険適用はなく、一連の治療、検査に係る費用は自費になります。

個人情報の保護

生殖補助医療の進歩に貢献するため、患者様に不利益をもたらさない範囲内で、検査結果(数値、画像、組織標本など)を教育や学術発表に使用させていただく場合があります。その際には、個人情報保護法に基づき個人と特定されない形で情報を使用させていただく場合がありますのでご了承ください。また、当院は社団法人日本産科婦人科学会の生殖補助医療の実施登録施設であり、毎年、同学会へ治療成績を報告する義務がありますが、その際にも貴方の個人情報が明らかになることはありません。これらは医学、医療の発展を目的とするものであるため、ご理解の上ご協力をお願いいたします。

実施報告義務について

本法を実施した症例について、本会が行う「PGT-A実施に関する調査」のために必要な臨床データの報告を行う義務があります。報告では胚の解析検査の実施と解析検査後の胚移植の実施との内容が含まれます。妊娠成立し当院より分娩施設へ転院後は、分娩を取り扱う他の医療機関から、妊娠から出産に至る経過について報告を受ける義務があります。

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